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日本語教育

【初級実習】実習準備って何をすればいいの?【Teaching Practice】

投稿日:2019年7月20日 更新日:

みなさん、こんばんわ。

遂に始まりました。日本語教師養成講座の山場、実習です。

養成講座では、大きく分けて2回実習があります。

初級実習」と「中上級実習」です。

初級実習は、9月の本番に向けて準備を進めていきます。

中上級実習は、年明け3月が本番です。

実際、中上級実習より、初級実習の方が難しいと言われています。

それは、対象となる学習者が日本語を聞き取ったり話したりする能力があまりないので、教える側の発する言葉をコントロールしなければならないからです。

それでは、実習に向けての「初級指導法」を解説していきます。

初級とは

まず、そもそも初級レベルとは具体的にどの程度なのでしょうか?

レベル 初級 中上級
日本語能力試験 N5~N4(N3) N1
語彙 800語 10,000語
漢字 100字 2,000字

このように見てみると、初級と中上級はかなり差がありますね。

なので、授業内容ももちろんかなり変わってきます。

初級 中級 上級
具体的(レアリア)
個人的(自分の事)
日常的
単語・単文
到達度評価
一般的
身の回りの事
専門的
抽象的

このように見てみると、日本人の学習にも似ていますね。

小学校の時には具体的で日常的な内容を学習しますし、高校大学生になると専門的分野や抽象的な概念を学習します。

授業の準備

授業を考える上で、色々準備しなければならないのですが、その中でも重要な事がいくつかあります。

語彙コントロール」はとても重要です。

語彙コントロールとは、先生が学習者に対して発話する内容や言い方を学習者に合わせてコントロールすることです。

たとえば、復文を使わずに単文で話したり、既習の文法だけを使ったりします。

語尾を「~です」「~ます」という風にシンプルに分かり易く伝えます。

ただ、難しいのは、このことが頭で理解していても実際行うとなると、かなり難しいです。慣れが必要でしょう。

コツとしては、授業で発話する部分を予想し、文字に書き起こし頭に入れておくことです。

こうすることで、目で語彙コントロールが確認でき、また暗記しておくことで本番である程度スムーズに出来るでしょう。

また、インタラクション重視の授業をすることが大切です。

先生から生徒への一方通行的な教授法ではなく先生と生徒とのキャッチボールが重要です。

このことは、日本語教育に限らず日本の学校教育の中でも近年重要視されてきています。

授業の流れ

授業の流れは大まかに言って、3段階に分かれます。

(復習)←実習では行いません

①「導入」:その授業で学習する事を学習者がイメージしやすく、分かるように場面状況を設定して、例文を提示します。導入部分が、一番重要でかつ一番難しいと言われます。

②「練習」:その授業で提示する学習項目を提示説明して、その練習を行ないます。文型ならその作り方や使い方を説明して、実際に練習します。つまりインプット、覚えるです。

③「応用」:②で練習しインプットした学習内容を今度はアウトプットしていきます。つまり使えるようにするためです。

②の練習に付いて、どのような練習方法があるのか詳しく見てみましょう。

a:反復練習(別名、模倣練習。つまり教師のモデルをまねる練習)

 [T=教師、S=学習者]

  T:かばんをとられました。

  S:かばんをとられました。

反復練習は、教師の言った言葉をそのまままねて言うだけです。

b:代入練習(別名、入れ替え練習。文の一部を入れ替える練習)

  T:かばんをとられました。

  S:かばんをとられました。

  T:くつ、、、      ⇐ポイント

  S:くつをとられました。

ポイント:このような「くつ」「お金」などの言葉をキューと言います。キューは十分な数を用意しておくことが大切です。学習者の前でキューが不足して練習が中途半端に終わらないように、余るくらいのキューを用意しておく方がいいでしょう。

c:変形練習(現在形を過去形に変えるなどの練習)

  (基本例)

  T:読みます、読みました。じゃあ、聞きます。

  S:聞きました。

  T:書きます。

  S:書きました。

  (応用例)文字カードなどを使って

  T:今日、手紙を書きます。昨日、、、

  S:昨日、手紙を書きました。

  T:今日、本を読みます。昨日、、、

  S:昨日、本を読みました。

d:拡張練習(短い文をだんだん長くする。普通は後ろから前に足していく)

  T:踏まれました。

  S:踏まれました。

  T:足、、、

  S:足を踏まれました。

  T:隣の人の、、、

  S:隣の人に足を踏まれました。

  T:電車の中、、、

  S:電車の中で隣の人に足を踏まれました。

拡張練習は、自分で適切な助詞を入れて繋げていきますので、より難しいです。

e:結合練習(単文を1つに結び付けて復文にする練習)

  T:100万円拾います。どうしますか。、、、タラ

  S:100万円拾ったら、どうしますか。

  T:熱があります。会社を休みません。、、、ノニ

  S:熱があるのに、会社を休みません。

単文ごとにカードを作って、提示してあげると良いでしょう。

f:問答練習(別名、応答練習。Q&A。擬似的な会話の練習)

  T:○○さん、お酒を飲みますか?

  S:はい、大好きです。

  T:そうですか。毎日飲みますか。

  S:はい、1日にワイン1本飲みます。

  T:そんなに飲むんですか。

問答練習は、学習者がそれなりに知識が無いと成立しないので高度な練習です。

練習の難易度はa→b→c→d→e→fの順に難しくなっていきます。

誤用訂正

  T:○○さん、昨日は何をしましたか?

  S:昨日は、買い物をしました。

  T:そうですか。何を買いましたか。

  S:服を買います

もし学習者が、練習中に間違ってしまった時は訂正をしなくてはいけません。

正解の場合は、「いいです」「合ってます」と言いますが、間違った時は、明示的訂正を行ないます。

たとえば、上の例文で言うと、

①「え?」「ん?」など、サインを出したり、

②昨日「買います」ですか?とヒントを与えたり、

③昨日「買いました」ですね。と正解を提示したり、

色々な、方法が考えられます。どのように誤用訂正するかは、その場の状況や学習者を見て判断しなければいけません。

指示発問

学習者に対して、質問を提示する場合いくつかの方法があります。

①オープンクエスチョン:5W1Hの発問をするため難易度は高いです。

②オルタナティブクエスチョン:選択疑問文形式です。

たとえば、「今日は晴れですか?雨ですか?」などと答えを選択できるような発問形式です。

③クローズドクエスチョン:YesかNoで答えさせる方法で、難易度は低いです。

教材・教具

初級クラスの授業は色々な教材や教具を用意します。

用意する教具に関して、注意する点は、ふりがなをつけたり、教科書体で文字を提示したりすることです。

また文章を提示する時は、分節で区切る分かち書きをします。

たとえば、「カバンを 取られました」のように間を空けます。

その他、レアリアオーセンティックマテリアルも用意するといいでしょう。

レアリア・・・ペンや時計、食べ物などの実物

オーセンティックマテリアル・・・パンフレットやメニュー広告などの教材

このように、初級実習では様々な準備物や教師の構えなどが必要になってきます。

最初から上手な授業が出来る教師はいません。

大切なことは常にフィードバックから改善を行ない成長していく事です。

それでは、また。

-日本語教育

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